今年も残すところ、半月余りとなりました。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。今回はコラムタイトル通り「同棲とペット」についてお話します。
パートナーと一つ屋根の下で生活を共にする〝同棲〟に憧れる若いカップルも多いのではないでしょうか。おしゃれな家で、家具は白で統一して、おそろいの食器をそろえたり……夢は膨らみますね。その理想のイメージの中に、ペットを飼いたい、という方も少なくありません。
実際、私が賃貸仲介店で働いていた頃は、そういったカップルがペット可の部屋を探しによく来店されていました。
ここからは私の経験談です。夢と理想の同棲生活とのギャップがあるかもしれないので、どうかご了承くださいね。
結論から言えば、同棲でペットを飼うのは辞めた方がいい、というのが私の意見です。正確に言えば、初めての同棲でペットを飼うのはおすすめできないということです。
そもそも言ってみれば、赤の他人が一つ屋根の下で生活を共にするだけでも大変です。私が部屋探しをお手伝いしたカップルのうち、約7割が半年から1年以内に同棲を解消し、再度お部屋を探すお手伝いをさせていただきました。
当然と言えば当然です。価値観や生活スタイルも異なりますし、お互いの〝嫌な部分〟も見えてくるわけです。そんな環境下にペットが居たらどうなるでしょう。カップルの癒やしになるはずのペットが、もしかしたらストレスの原因になってしまうかもしれません。
「私ばかりが散歩している」「部屋が毛だらけで掃除してないの?」「またペットシーツを取り替えてないじゃん」……二人の関係がうまくいかないのは〝ペットがいるからだ〟と責任転嫁してしまうケースもあるでしょう。最悪の場合、虐待や飼育放棄にもつながりかねません。
また、不穏な空気はペットも感じ取ります。ケンカを仲裁したい、あるいは過度のストレスで吠えたり、マーキングしたりすることもあるでしょう。まさに負の連鎖ですね。
同棲を解消しても、ペットは生きています。どちらが飼うのか、という問題も生じます。カップルが別れた際に、思い出の品は全部捨てる、という方も一定数いると思いますが、ペットはどうでしょうか。前述した通り命ある生き物であり、〝モノ〟ではありません。命を預かるという責任を持って飼うべきですね。
もちろん、お互いの価値観やライフスタイルを知った上で、ペットを迎え入れることは大賛成です。二人の生活をよりよいものにしてくれるかけがえのないパートナーになってくれるでしょう。
ペットは飼い主を選べません。人も動物も幸せな暮らしができることを切に願っています。
【筆者紹介】
津田 芳典(つだ・よしのり)
1980年札幌市生まれ。大手不動産賃貸会社で7年間勤務後、不動産管理会社に転職。11年不動産管理会社を設立。24年に会社売却し、第二の人生として新たなスタートを切る。愛犬4匹(トイプードル、チワワ)と暮らす。