ペットと賃貸のコラムは、今回で最終回となります。思えば不動産業界に飛びこんでからこれまで〝命〟の在り方を考えさせられる場面に数多く遭遇してきました。
入居者の孤独死や自殺をはじめ、夜逃げした部屋には、残置物とともにペットの亡きがらがあったり……以前のコラムでもお話ししましたが、ゴミステーションにチワワが捨てられていたことも……。
「ペットと賃貸」Vol.15 弊社管理物件のゴミステーション(札幌中央区)に捨てられていたチワワについて
http://oneheart.fun/pr/pettochintai15/
それ以外にも会社を経営していると、建物の問題、入居者様や従業員への課題等、さまざまな壁にぶつかります。これらも人生の経験として、何事にも動じない精神力が養われてきました。
そんな私でも、やはり命は別物であり、慣れることのない大きな大きな問題です。ペットは飼い主を選べないと申してきましたが、やはり命を大切にしてほしいと切に願っています。夜逃げするぐらい経済的に追い詰められた状況であっても、ペットに罪はありません。飼い主がいなくなれば、待っているのは死のみです。
子どもやペットの虐待も、親や飼い主の心の闇によるものが大きいでしょう。しかし、弱い者には対抗する術はありません。人も動物も幸せになるために生まれたきたのであり、決して虐待されたり、育児や飼育放棄で命を落とすようなことがあってはいけません。
私事ではありますが、おかげさまで、賃貸アパート・マンションの管理業務と賃貸仲介業務は軌道に乗り、自社所有物件を増やしたことによる家賃収入も増え、事業は少なからず安定してきました。だからこそ、弱者であるペットのために何かできることはないか、日々摸索しています。
近い将来、実現できそうなプロジェクトとしては、ペット同居型の賃貸マンションを企画することです。本当の意味で人もペットも暮らしやすい、安心して安らげる住まいをつくりたいと考えています。
また、まだ先の話ではありますが、犬や猫の保護施設もつくりたいと思っています。騒音や臭いなど、さまざまな課題をクリアする必要がありますが、ドックラン併設のふれあいの広場を、札幌市近郊で実現できればと思います。
私は不動産も動物も好きです。好きな気持ちを原動力に、夢に向かって邁進していきます。
コラムの連載を通じて、さまざまな応援のお言葉をいただきました。本当にありがとうございます。
冒頭でお伝えした通り「ペットと賃貸」をテーマにしたコラムは今回で最終回を迎えますが、ペットを題材とした新たなコラムの連載も予定しております。ペット業界の課題など、さまざまな角度から新たなお話ができることを楽しみにしております。
動物も人も待ち焦がれる春はもうすぐ。温かい季節を楽しみましょうね。それではまた、次回更新をお楽しみに!
【筆者紹介】
津田 芳典(つだ・よしのり)
1980年札幌市生まれ。大手不動産賃貸会社で7年間勤務後、不動産管理会社に転職。11年不動産管理会社を設立。24年に会社売却し、第二の人生として新たなスタートを切る。愛犬4匹(トイプードル、チワワ)と暮らす。