札幌市を拠点に、不幸な犬を保護する「犬のM基金」。主に飼育放棄や多頭飼育崩壊の現場からレスキューした命を、里親に繋いでいます。
同団体から〝保護犬を迎える〟という選択をし〝共に幸せになった〟ご家族をご紹介します。
「動物愛護週間」のいま、〝保護犬・保護猫〟の存在を、より多くの人に知ってもらうきっかけになれたら幸いです。
〝三度目の正直〟で家族を手にしたグラン
高齢者による飼育放棄で、札幌市の動物管理センターへと持ち込まれたグラン(♂・7歳・バーニーズ・マウンテン・ドッグ)。
同団体が引き取ると、すぐに「トライアルしたい」と里親候補が現れました。
しかし、すぐに距離を縮めようと近づいた里親を噛んでしまい、トライアルは失敗に終わりました。
次にグランに気持ちを寄せたのが、現在の飼い主、Fさん一家でした。
「シーズーを13歳で亡くし、やっぱりまた犬と暮らせたら…と気持ちを募らせていたところ、M基金さんのFacebookにたどり着きました。里親募集をされていたグランに、一目惚れです。
小型から大型犬へと、ずいぶん大きさは違いますが、昔、エスキモー犬を飼っていたこともあり、特に心配はありませんでした」とFさんは話します。
「早く仲良くなりたい」よりも、犬の気持ちを尊重して
今年の8月で、家族になって1年。どれだけ暑い時期でも、べったり身体を寄せて離れないグランに、Fさん一家は「ずっと前から一緒に暮らしてきたみたい」と笑います。
これから保護犬のお迎えを検討する方へ、Fさんからのメッセージです。
「『早く仲良くならなきゃ』『良い子にさせなきゃ』なんて考えず、お互いのフィーリングを尊重することが大切だと思います。
保護犬であってもそうでなくても、相手を思いやる気持ちが一番伝わる気がします。
私たち家族は、まずはほど良い距離感からスタートし、グランから近づいてきてくれるのを待ちました。おかげさまで、すぐにストーカーのように離れない甘えん坊になり(笑)、いまではグラン中心の生活です」