「ペットと賃貸」第3回目のコラムとなります。本日もよろしくお願いいたします。
前回のコラムでは【ペット可】と【ペット専用賃貸マンション】の違いについてをお話させていただきました。今回は、ペット可とペット専用賃貸マンションにおいて、どちらにもある【メリット、デメリット】の違いについてをお話します。
▼前回のコラム「【ペット可】と【ペット専用賃貸マンション】の違いとは」はこちら
http://oneheart.fun/pr/pettochintai2/
周囲への配慮、部屋のつくり、退去時の費用etc…ジャッジポイントはさまざま
基本的に「ペット可」賃貸物件は一般物件に住むため、借りるにおいて、特段変わったことはありません。しかし、その多くの物件が〝居住者の9割がペットを飼っていない〟ことになるため、騒音や共用部での放し飼いは、注意が必要です。縛りがあるところでは、共用部では犬を抱っこして移動しなければならない場合もあります。そういった規制から、少し窮屈に感じられる方もいるかもしれません。
また退去時の原状回復においても、壁や床など、すべてを張り替えて引き渡ししなければならないところが多く、費用が高くつきやすいです。全物件が該当するわけではありませんが、大方そういう傾向にあるようです。
もちろん、メリットもあります。ペットだらけの物件ではない為、動物特有の獣臭などがなく、そこまで老朽化を感じさせないところが多いです。お住まいとしての環境は「ペット専用賃貸マンション」と比較すると、恵まれていると言えるでしょう。
一方「ペット専用賃貸マンション」は先も述べたように、居住者の9割がペットを飼っています。
共用部にペットの足洗い場などがあるところも多く、騒音面でも限度はあるものの、互いがペット飼育者であるため、そこまでナーバスにならず、生活しやすいところが多い傾向です。
その分、賃料は一般賃貸ペット可物件に比べ、割高な印象です。また、築年数が経過するにつれて、分譲マンションなどと違い、管理人などの設置もないため、共用部などに匂いが充満しやすく、景観上は崩れてきやすいかもしれません。
それでもペット愛好者にとっては、メリットが多いかと思います。
札幌でペット専用賃貸物件はまだ少なく、ペットを飼育できるほとんどの賃貸は、ペット可物件となります。そのため、必然的に全体的な入居比率は、ペット可物件の方が多くなります。
多少賃料が高くても「ペットと自由に暮らしたい!」という気持ちが強い方は、ペット専用賃貸マンションがいいかもしれません。
退去時の原状回復においても、ペット専用とうたっていることもあり、明確なガイドラインが設けられているケースが多いです。はじめに入居者が負担する割合も確認しやすく、安心度が高いと言えるでしょう。
ペット可へのニーズは高まる一方、専用賃貸はまだまだ少ない
年々、賃貸市況では、ペット可のニーズは高まっているのは間違いありません。
しかし、つくり手側として、ペット専用は新築時の建設コストが通常に比べ、かなり高額です。また、ペット専用というコンセプトから、大多数の一般入居者を確保しづらくなることから、経営する側面ではリスクが高めと言えます。そのため全国的に見ても、まだまだ数が少ない状況です。
ペットと快適に暮らす上で、一つの参考材料にしていただければ幸いです。本日もありがとうございました。
【筆者紹介】
津田 芳典(つだ・よしのり)
1980年札幌市生まれ。大手不動産賃貸会社で7年間勤務後、不動産管理会社に転職。11年不動産管理会社を設立。24年に会社売却し、第二の人生として新たなスタートを切る。愛犬4匹(トイプードル、チワワ)と暮らす。