前回のコラム「Vol.17 愛犬・ねおが全身麻酔から天使に……みなさんへ伝えたいこと」では、ねおとの別れについてを書かせていただきました。たくさんの人に読んでいただき、また、反響があったと耳にしております。ありがとうございます。
いくつかわんにゃんハート編集部、そして読んでいただいた方からご質問をいただきましたので、私自身が回答させていただきます。少しでもみなさんと愛犬の暮らしに役立つヒントになれれば幸いです。
Q,ねおちゃんが全身麻酔をすることになったきっかけは、足の手術とのことですが、病名や状況を教えてください。
A,小型犬にとても多い「パテラ(膝蓋骨脱臼)」です。先天性のものではなく、生活の中でジャンプをすることが多かったため、蓄積してなったものです。
Q,術前検査では、おそらく何も問題がなかったからこそのオペだと思いますが、ねおちゃんの日常的な体調面などで、何か気になる点はありましたか。
A,この手術の半年程前にも同様の手術をしたのですが、術後の経過で、関節がちゃんとくっつかず、再びトライすることになった手術でした。ストレスからか、足をよく舐めるようにはなってました。できるだけ舐めないよう、首にはエリザベスカラーもつけていました。術前検査では、もちろん問題はありませんでした。
Q,これから全身麻酔を控えているわんこやにゃんこの飼い主へ、もし何かアドバイス等がありましたら、メッセージをお願いします。
A,飼い主が良かれと思ってやったことが、大事な愛犬の命を失うといった結果になってしまいました……。動物は当たり前ですが、言葉を話せません。全身麻酔での致死率は限りなく0に近いですが、それでも0ではありません。担当していただいた獣医師も、もちろん治すために尽力してくれてのことです。怒りの感情を抱くことは違う…ただただ、悲しみと後悔が溢れました。
全身麻酔を伴う手術や検査を選択するときは、尊くて儚い命がかかっているということ。それをどうか重く考えて、慎重に判断してください。《自分の子は大丈夫》と、決して対岸の火事として捉えないように。そして後悔のない愛犬との日常を過ごしていただきたいです。この記事を読んでいただいたみなさまにとって、愛犬との日々が、人生で大きな幸せの1ページでありますように。
Q,突然のお別れで、受け入れるにはとても時間がかかることだとお察しいたします。現在に至るまで、社長やご家族の中で、どのように感情を受け止めてきたか、また、周囲のどんな言動に支えられたかを教えてください。
A,日々、涙がでました。今でも悲しさは消えていません。同時に、時間の流れで彼を忘れようとも思っていません。
悲しいけれど、その悲しかったとき、楽しかったとき、迎えたとき、小さかったとき、おしっこをなかなか覚えずにマーキングしていたとき…全てを忘れないように向き合ってます。ペット霊園にも、49日までに何度か足を運びました。お盆にも手を合わせに行きました。
霊園のお坊さんには「ときどきであってもお参りすることで、彼への供養にもなります」と言っていただき、少し救われた気がしました。でも本当に救われたかったのは私たち家族の心ではなく、彼の足であり、命です。悲しみを抱きながらも、他の愛犬家の方々にこのお話を伝えていくことで、同じ思いや後悔を回避してもらえたら…と思っています。
これから一生悲しみに暮れて生きていくわけではありませんが、ねおを忘れず、供養し続けながら過ごしていきたいです。
Q,他にもわんこがいらっしゃるかと思いますが、ねおちゃんが亡くなってから、どのような様子でしたか。また、社長やご家族にとって、他のわんこたちの存在がとても支えになったのではないかと思います。
A,やはりわんこたちの存在は、とても支えになっています。ねおと一番仲の良かった子が最初の数日、少し元気のない様子は伺えましたが、いつも近くにいてくれました。いてくれるだけで心の支えになりますし、ねおも一緒にいてくれているような気持ちになれます。
Q,とてもやるせない、切ないお別れでしたが、またご縁があれば、わんこをお迎えしたいというお気持ちはありますか。
A,あります。現在日本では、犬を取り巻く状況や犬と人との暮らしに、さまざまな問題があります。ねおを救えなかった分、微力ながらでも動物を救うお手伝いができたら……そんなことも視野に入れながら、いつか機会がありましたら、1匹でも幸せにするためのお迎えの仕方を考えています。
【筆者紹介】
津田 芳典(つだ・よしのり)
1980年札幌市生まれ。大手不動産賃貸会社で7年間勤務後、不動産管理会社に転職。11年不動産管理会社を設立。24年に会社売却し、第二の人生として新たなスタートを切る。愛犬4匹(トイプードル、チワワ)と暮らす。