あの暑さがウソのように、朝晩はすっかり涼しくなった北海道ですが、みなさま、お変わりないでしょうか。

寒暖差は人間だけでなく、動物にもダメージを及ぼします。しっかりと体調管理に気を配ってあげてくださいね。

そんな中、編集部の思いっきり”夏を振り返る”「わんことカヤック」リポートです。里親さんや保護犬にまつわるボランティアをされている方々にも目を通していただけると嬉しい限りです。ゆる~い記事になりますが、どうぞお付き合いください。

コロナ禍でも犬と楽しめるカヤック

さかのぼること、6月某日。編集部に「いつも迷子犬捜索などの情報発信をありがとうございます。よろしければ支笏湖周辺で、わんことカヤック体験してみませんか。手ぶらでお越しいただき、非日常的なフィールドをお楽しみください。愛犬家からの日頃の御礼として、ガイドさせていただきます」と1通のDMが届きました。

送り主は、よく道内の迷子犬猫や保護犬猫情報を共有し合っている、わんにゃんハートInstagramのフォロワー・笠原勇太さん。ミニチュアダックス2頭と秋田犬2頭と暮らす、大の愛犬家です。

DMを開封した編集・後藤はニヤリ。非リア充として、ここは何としても波に乗りたいところ。屋外であれば、密になるリスクも低く、夏らしい記事のネタにも打ってつけ(もう過ぎ去ってしまった感)。

撮影会でおなじみの相棒・湯山カメラマンを誘ってみたところ、二つ返事で「行きます」と快諾。コロナ禍で仕事が激減し、湯山カメラマンも大変そうです。よし、楽しませてもらうぞー!

~カヤック体験者~

編集者/後藤 はるか
人より犬が好きで、犬に会える場所によく出没する。ヘラヘラしているときは大体犬のことを考え、真面目ぶっているときも大体犬のことを考えている。「猫の取材はどーした」と言われるのが弱み(ごめんなさい)。

カメラマン/湯山 繁(Bee Photo Office)
ビーグルを愛してやまない愛犬家カメラマン。撮影では後藤の無理難題に応え、犬と視点を合わせるため、寝転んで泥だらけになるのも厭わない。撮影会では、犬たちのおじ……お父さん的存在。

「体育2」のインドア女子は漕げるのか

というわけで、7月某日。後藤と湯山カメラマンがやってきたのは、道民のオアシス「支笏湖」です。

さすが水質日本一!支笏湖ブルーが映えています。わんにゃんハート会員の方々も、夏~秋にかけて、わんこ連れカヤックやSUPを多く楽しまれている場所です。

後藤 「今日はよろしくお願いします。支笏湖でわんことカヤックできるなんて、夢のようです。しかも手ぶら、超ラクチン」

笠原さん 「今日は犬と自然を満喫していってください。後藤さん、カヤックは初めてですか?」

後藤 「はい、初体験です。体育は2でした」

笠原さん 「そうですか。湯山さんはいかがですか」

湯山カメラマン 「僕は全くの初心者ではないです。トライアスロンもしていたので、水は全然平気ですし、来週もビーグル仲間とカヤック体験します」

後藤 「リア充かよ」

そんなやりとりのあと、笠原さんが用意してくださったライフジャケットを装着し、飲み物とハンドタオルを持って、いざ湖へ!と思いきや……

笠原さん 「ちょっと今日は波が高いようです。経験の浅いお二人には、ハードルが高いかもしれません。今回は隣接している千歳川でカヤックを体験していただきます」

後藤 「え、みんなに支笏湖でカヤックして、超上手く乗れたって自慢したいのにー」

湯山カメラマン 「身の程をわきまえてください」

笠原さん 「ウォーターアクティビティは、すなわち自然が相手ですから。大袈裟なぐらい慎重な方がいいと考えています。天候や波の高さは、見極めが大切です」

確かに、今年も水難事故が全国で相次ぎました。つい最近、支笏湖でも若者が命を落とすという、痛ましい事故がありましたね。肝に銘じておきましょう(自戒の念を込めて)。

というわけで、本日のカヤックのお供は、笠原さんの愛犬・秋田犬の楓ちゃんと、空(くう)ちゃんです。

どちらも穏やかな性格の女の子。楓ちゃんは「犬のM基金」出身の元保護犬で、ちょっぴりシャイドッグです。最初は後藤&湯山カメラマンペアーに、カヤックベテランの空ちゃんが同乗してくれました。

笠原さん 「まずは深い場所まで行かず、浅瀬で漕ぐ練習をしてみましょう。パドルをできるだけ前方に入れ、ゆっくりと後方へ。引き終わったら反対側のパドルを前方に入れる。その繰り返しです。湯山カメラマンは素質がありそうなので、後ろに乗って後藤さんをサポートしてください。後席の方が、負荷がかかりやすいんです」

後藤 「私はラクできるってことですか?やったー」

湯山カメラマン 「後藤さんが漕いでくれないと、僕はいつまでも撮影できませんよ」

笠原さん 「背骨を軸にして、体幹のうねりを生かして漕ぐイメージです。腕だけで漕ごうとすると、かなり負担がかかります」

後藤 「ほう、体幹。痩せますか?」

笠原さん 「頑張ってください」

約20分、水辺で練習をすると、なんとなくコツを掴むことに成功。最初は景色を楽しむ余裕がなかったものの、徐々に視野を広げることができるようになりました。笠原さんのゴーサインもいただき、いざ、千歳川の清流へ!

“保護犬を応援する”ドッグカヤック

後藤 「いやぁぁぁああぁ綺麗!水面がキラキラしているし、川の底まで見える。めちゃくちゃ気持ち良いですね。空ちゃんも気持ち良い?」

湯山カメラマン 「あ、空ちゃんの顔が死んでる。やっぱり後藤さんが船長だと、不安なんですね」

後藤 「おい」

笠原さん 「シーッ。耳を澄ましてください。鳥や虫の声が聞こえてきますよ」

後藤 「本当だ。なんだか故郷(音威子府村)を思い出すなぁ」

しばらく漕いだところで、笠原さんがガサゴソ。私と湯山カメラマンに、マカダミアクッキーをプレゼントしてくれました。

笠原さん 「カヤックは想像以上に体力を使いますので、このあたりで糖分補給しましょう。持参されたドリンクもまめに飲んで、熱中症予防してくださいね」

後藤 「水の上カフェ、最高かよ」

湯山カメラマン 「ところで後藤さん、何でドリンクが”青汁”なんですか?」

後藤 「ダイエットしてるからです。あ、湯山さんのクッキーも1枚ください」

湯山カメラマン 「はい」

ガイドしてくださる笠原さんの気遣いが嬉しく、セブンイレブンのマカダミアクッキーが、陸で食べる何倍も美味しく感じました。ご馳走さまです。

後半は後藤&笠原さんペアーになり、湯山カメラマンには撮影に専念してもらいます。

後藤 「笠原さんはなぜ、保護犬を迎えたご家族を対象に、カヤックガイドをしているんですか?」

笠原さん 「保護団体から楓を迎えて、保護犬やそこにまつわる人たちを応援したいと思ったのがきっかけです。素人ガイドではありますが、大変な思いをしてきた犬や人にこそ、楽しい思い出を作ってほしいですから。せっかく北海道に暮らし、豊かな自然が近くにあるわけですから、犬と満喫してほしいですよね」

後藤 「なるほど。笠原さんはいろいろな保護団体に、支援物資されたりもしてますよね」

笠原さん 「自分のできる範囲ではありますが……あ、湯山さん、もうあんなに一人でスイスイ漕いでは撮影しまくってますね。まるで秘境を訪れた写真家のようだ」

後藤 「確かに秘境感出てる。修行中の仙人っぽい」

湯山カメラマン 「それって褒められてます?」

ドッグカヤックは初心者でも満足度高し!

休憩も挟みながら約2時間、波に揺られ、心地良い疲労感とじりじり火照った腕をお土産に、岸に上がります。

笠原さん 「お疲れ様でした!ドッグカヤックはいかがでしたか?」

後藤 「楽しい!気持ち良い!その一言に尽きます。千歳川に広がる青と緑、そして空ちゃんと楓ちゃんをいっぱい抱きしめられました」

湯山カメラマン 「後藤さんが全然漕がずに犬を触ったり自撮りするおかげで大変でしたが、僕もリフレッシュできました。ありがとうございました」

笠原さんは引き続き、9月末まで、里親さんや預かりボランティアなど、保護犬に携わる人たちへの「ドッグカヤックガイド」を行っています。1組5000円(2人&2頭まで)で、カヤックやパドル、ライフジャケットなどのレンタル料も込みです。

詳しくは下記に記載する笠原さんのInstagram DMへ、お問い合わせください。

最後に笠原さんから、メッセージです。

「元保護犬の子たちや、まだ里親が決まっていない子たち。保護されるまで、みんな大変な思いをしてきたことと思います。犬と人が一緒にカヤックに乗ることで、普段見せない犬の表情や性格が垣間見れたり、人との絆や信頼関係が深まることもあります。どちらの保護団体出身の子でも、個人で活動されている方でも、ジャンルは問いません。まずは気軽にお問い合わせください」

ぜひ保護犬(元保護犬)とカヤック体験し、特別な時間を過ごしてみてください♪

「保護犬(元保護犬)カヤックガイド」
ガイド/笠原 勇太
料金/2時間5000円(2人&2頭まで)

Instagram/https://instagram.com/yutahunter

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