大変お久しぶりになってしまいました。今年も残り２週間を切りましたが、愛犬猫家のみなさま、いかがお過ごしでしょうか。
業務多忙につき、しばらくコラムをお休みしておりました。楽しみにしてくださっていたみなさまには、お詫び申し上げます。不定期更新ではありますが、本日からまた執筆していきたいと思います。
札幌に暮らす愛犬家であれば、既に多くの方がご存じかもしれませんが、11月上旬、非常に憤りを感じる出来事がありました。札幌中央区のマンションのゴミステーションに、白黒のチワワが捨てられていたのです。
発見時の様子
久々のコラムにも関わらず、決して明るい話しではありませんが、命について、改めて考えるきっかけにしていただけたらと思います。
「燃えるゴミの日」に捨てられていたチワワ
話によると、キャリーバックの奥で白黒のチワワが丸まり、怯えていたとのこと。かなり痩せていたことから、しばらくまともな食事が摂れていなかったと思われます。警察や動物管理センターに届け、病院でメディカルチェックを受けたところ、オスのチワワで、推定２～４歳ということがわかりました。
同時に保護団体や愛犬家の方々がSNSで発信し、遺棄した人に関する情報を呼びかけましたが、有力なものは現在も届いていないようです。
その日は〝燃えるゴミの日〟。万が一、誰も気づかずにゴミ収集車に積まれてしまったかと思うと……言葉がありません。間一髪で救えた命だったと言えます。
助けたい方が一心で保護し、里親になりました。名前は「空」と名付けたようです。
空くんの現在の様子
「２～３日は怯えた様子でしたが、少しずつ人や環境にも慣れてきて、人懐っこく、とても良い子です。ごはんもたくさん食べるし、運動もさせられる環境なので、元気に過ごしています」と現在の様子を話しています。確かに、保護した直後と現在の表情では、別犬のよう。優しい家族ができて、本当に良かったです。
同時に「どんな事情があろうと、こんなひどいことができるなんて信じられないし、許せません」と、遺棄した人への怒りを感じています。同感です。
犬や猫に向き合う管理会社でありたい
動物愛護法は年々成熟してきていると言っても、いまの日本の法律や罰則では、動物は所詮、モノ扱いも同然。人間とは比べものにならないほど、存在が軽視されています。もっと根本的に変わっていかなければ、今後も同じような飼育放棄は繰り返されるかもしれません。紛れもなく、命あるものの遺棄は犯罪です。
どうか名乗り出ていただき、自身の犯した過ちを心から反省してほしいです。
賃貸マンションで動物と暮らしている以上、何かしらのトラブルに見舞われる可能性はあります。最も管理会社への相談で多いのは、犬の無駄吠えに関し、近隣住人が頭を悩ませているケースだと思います。
その際、事務的にことをおさめたい管理会社は、騒音苦情に関する貼り紙をしたり、直接住人に指摘をして、改善を求めます。ほとんどの会社がそういった対応と言えるでしょう。
しかしそれで本当に、根本的な解決になるでしょうか。きっと飼い主も精神的に追い詰められ、犬に当たってしまったりと、負のスパイラルを生むような気がしてなりません。そしての行き着く先は、今回のような飼育放棄かもしれないのです。
それぞれが〝責任ある飼い主になる〟ことを前提に、犬猫にまつわるトラブルがあった際には、管理会社もできるだけ寄り添い、本当の意味で改善に向かうアドバイスができれば……と私は考えています。コラムで自分の考えや想いを発信しようと思ったきっかけのひとつに、そんな管理会社が増えることを願う気持ちも含まれています。
次回のコラムでは、私なりに実践してきたことなどを記事にする予定です。命が繋がった空くんの犬生が、明るいものであることを願っています。
【筆者紹介】
津田 芳典（つだ・よしのり）
1980年札幌市生まれ。大手不動産賃貸会社で7年間勤務後、不動産管理会社に転職。11年不動産管理会社を設立。24年に会社売却し、第二の人生として新たなスタートを切る。愛犬4匹（トイプードル、チワワ）と暮らす。