9月6日で、北海道を震撼させた胆振東部地震から3年が経ちました。
忘れた頃に、突如やってくる自然災害。誰も予知できないことだからこそ、日頃の備えが生死を分けます。
万が一のとき、大切なしっぽある家族を守れるのは、飼い主である私たちだけ。非常事態であっても、できる限りいつもの暮らしを続けられるよう「ペット防災の日」に限らず、日頃から準備をしておきたいものです。
そんなきっかけになれることを願って、昨年のいま時期に掲載した記事を再録いたします。ぜひご家族のみなさまと一緒に、ご一読ください。
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大切な〝家族(ペット)〟を守るために
北海道を震撼させた胆振東部地震から2年。道民であれば、まだあの日のブラックアウトは記憶に新しいことでしょう。
いまでも全国で、地震や台風、大雨などの天変地異による被害が報道されています。
犬や猫などのペットと暮らす私たちは、彼らの命や安全も守らなければいけません。
いつ何が起きるかわからない昨今、ペットのための防災対策は準備万端でしょうか。
いま一度振り返り、ないに越したことのない〝いざというとき〟に備えましょう。
ペット防災 チェックリスト
●必要なもの
- 5日分以上のフード、水、食器
- 好きなおやつ(環境が変わり、食が細くなる可能性があるため)
- 療法食、薬(必要な場合)
- 予備の首輪、リード(短め)ハーネス
- ペット用クレートやキャリーバック
- トイレグッズ(犬=ペットシーツ、猫=砂)、ゴミ袋
- 新聞紙、タオル、使い慣れた毛布やおもちゃ
●必要なこと①
住まいの防災
- 耐震強度の確認
- 家具やケージの配置確認、転倒防止
- 家族の話し合いや近所とのつながり
- 連絡方法や集合場所の確認
- 留守中の対処方法の確認
- 緊急時のペットの預け先の確保
- 情報収集と避難訓練
- 避難場所と避難経路の確認
- 避難訓練への参加
●必要なこと②
所有者明示
- 鑑札、注射済票の装着(犬のみ)
- 外から見える迷子札(丈夫で簡単に外れないもの)
- マイクロチップ
健康管理
- 健康診断と日頃からの観察
- 不妊手術、ワクチン
- ノミ、ダニ等の駆除やトリミング
しつけ
- 他の人や動物、声や音に慣れさせておく(初めての場所や来客を経験させておく)
- ケージやキャリーバック、リードや首輪に慣れさせておく
- 体のどこでも触れるようにしておく
- マテ(制止)とオイデ(呼び戻し)をトレーニングしておく
- トイレやペットシーツに排泄できるようにしておく
- むやみに吠えないようにしておく
※札幌市発行「犬と猫の防災手帳」をベースに、わんにゃんハートの視点も追記
〝日頃の備え〟と〝同行避難〟が命を救う
では、実際に災害が起きて避難勧告が出た場合、どのように行動するかを想定しておきましょう。
「同行避難」とは文字通り、避難場所までペットと共に逃げること。
ただし、衛生上の問題や動物アレルギー保持者もいるため、原則、人と同じ空間で待機することはできません。あくまでも指定されたスペースで、ルールを守って飼養するのが条件になります。
ここで大切になってくるのが、日頃の犬や猫へのしつけやコミュニケーション。
避難先で犬や猫はケージやキャリーケースで飼養せざるを得ないため、慣れていない場合、ストレスを抱えることも。
寝るときや移動時にはキャリーに入れる習慣をつけて〝安心できる場所〟と理解させることが大切です。
大型犬や多頭の場合は抱きかかえられず、避難時に歩かせる可能性もあります。事前にペット用の靴を用意し、慣れさせておくのもひとつの策です。
パニックになりやすい猫は、対策をより万全に
胆振東部地震時には、パニックになった猫がマンションの高層階から網戸を破って落下し、骨折するという事故が起きました。
犬以上にデリケートな性質を持つ猫には、細やかな対策が必要です。
自宅で猫10匹と暮らす飼い主さんに、経験談を交えてお聞きしました。
「猫は花火や地震など、恐怖を感じるとパニックになるケースが多いです。そうすると、ソファーやベッドの下にもぐり込んだり、高い所に上がってしまう場合も。最悪の場合、外に飛び出してしまいます。
緊急時に急いで捕まえるのは難しいため、家具を安全な配置にしておくのが大切です。
例えば、人の手が届きにくい場所や、猫が隠れる場所をなるべくつくらないようにします。家具の固定や本などが落ちないようにしておくのは、人間の防災にもつながりますよね。
犬や猫のいる家庭では、破れない網戸を設置するところも増えているようです」