札幌市を拠点に、不幸な犬を保護する「犬のM基金」。主に飼育放棄や多頭飼育崩壊の現場からレスキューした命を、里親に繋いでいます。

同団体から〝保護犬を迎える〟という選択をし〝共に幸せになった〟ご家族をご紹介します。

「動物愛護週間」のいま、〝保護犬・保護猫〟の存在を、より多くの人に知ってもらうきっかけになれたら幸いです。

公園に繋がれ、飼育放棄されていた保護犬

保護犬と幸せになるという選択肢

実家で犬を飼っていた経験から「いつかまた犬と暮らしてみたい」と想いを募らせていた、札幌市在住の佐々木さん。

双子の息子が大きくなったら迎えようと考えていた矢先、犬のM基金のFacebookで、実家にいた中型犬Mixの〝まる〟に似ている犬を見つけたと言います。

「実家にいたまるは、何のMixかわからないほど、いろいろな血が混ざっていました(笑)。そんな子には、ショップやブリーダーさんでは、まず出会えません。初めて写真を見たとき〝こんな子はいない〟とシンパシーを感じました」

ご主人に譲渡会へ出向いて良いかを確認すると「一緒にお世話しよう!」と快諾。しかし、小学一年の息子2人は猫派で、犬はどちらかというと、苦手…。

まずは会ってみようと、家族総出で出向いた譲渡会。対面したそら丸は、控えめな性格で、最初はビクビクおびえていました。

そら丸は、ある公園に繋がれ、飼育放棄されていた過去を持ちます。人間に対し、すぐに心を開けない姿が、なんともいじらしかったと佐々木さんは話します。

「写真よりもずっと、まるに似ていました。くぎ付けになる私に、2人の息子も『俺たち、この子なら飼いたい!』と言ってくれました。この言葉が決め手で、家族としてお迎えすることになりました。

〝そら丸〟と命名したのは、双子の息子たちが「俺は〝そら〟がいい」「俺は〝まる〟」と主張したため、2つを合わせて名付けました」

心を開かせた〝晩酌&おやつタイム〟

保護犬と幸せになるという選択肢

佐々木さんと双子の息子さんには、すぐに懐いたそら丸。しかし、ご主人にはなかなか心を開けなかったと言います。

「夫は晩酌時におやつをあげて、徐々に距離を縮めていました。最初は警戒し、手からも食べてくれないので、床に置いて…慣れてきたら、手であげて…と。

いまでは夫の晩酌=おやつタイムだとわかるようで、自ら隣に座り『おやつください』と催促するほどです」

すっかり家族以外の誰にでもフレンドリーになったそら丸。

ときどき佐々木さんは「どんな気持ちで公園に繋がれていたんだろう」と考え、胸が締め付けられると話します。

保護犬ゼロを目指し、預かりボランティアも経験

保護犬と幸せになるという選択肢

じっとこちらを見つめたり、とびきりの笑顔を向けてきたり、おねだりポーズをしたりと、すっかり犬らしくなったそら丸。

佐々木さんは「可愛くて仕方ありません。3人目の息子だと思っています。先代のまるがいたからこそ、そら丸に出会え、いまがあります」と話します。

「保護犬=難しいとか、子犬でなければしつけが入りにくいなど、懸念点がある人もいるかと思います。

でも中には、そら丸のように自我が大人しい子もいますし、どんな性格も人と同じで、個性です。

そら丸と暮らし始めてから、同じく保護犬を迎えた里親さんとの交流も生まれ、笑いや涙をわかちあえています。元保護犬の飼い主ならでは、という経験をさせていただいています」

現在は犬のM基金で〝預かりボランティア〟もしている佐々木さん一家。先日、ご縁があり、初めて里親にバトンを繋いだと言います。

「寂しい気持ちよりも『うんと幸せになるんだよ』という気持ちが強いです。

そら丸という幸せをくださったM基金さんに、少しでも協力し〝保護犬ゼロ〟を目指すお手伝いができればと思います」

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