「新型コロナウイルス」の影響により、おでかけを自粛している人も多いはず。しかし、せっかくの行楽の秋。あっという間に銀世界に包まれる北海道で、いまを楽しまないのはもったいない!
愛犬と一緒に、屋外で身体を動かしたい人にオススメなのが「カヌー」や「SUP」などの水上アクティビティー。カヌーは体験したことのある人も多いはずですが、聞き慣れない人のために、SUPについても少しご説明しましょう。
SUPとは「Stand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)」の略称で、ハワイ発祥のウォータースポーツ。ボード上に立ち、パドルを漕いで水面を進む、近年注目のアクティビティです。
札幌から車で約40分の支笏湖には、自然の恩恵を求め、たくさんのわんこと愛犬家が集っています。〝Withコロナの新しい遊び方〟として、カヌーやSUPを楽しむご家族に話しを聞いてみました。
支笏湖に同行取材させてもらったのは「わんにゃんハート会員」でもある柴田綾子さん、船瀬丈洋さんカップル。愛犬は画像に写っている、だいちゃん(♂・13歳・ワイヤーフォックス・テリア)のほか、まめちゃん(♀・14歳・ワイヤーフォックス・テリア)、はなちゃん(♀・8歳・トイ・プードル)の計3匹です。
アウトドアが大好きなお2人は、夏~秋は支笏湖へ繰り出すことが多く、わんこたちも一緒に季節を感じていると言います。
愛犬と自然を満喫できる、カヌーやSUPの魅力
3年ほど前から〝愛犬との水遊び〟を始めた柴田さんと船瀬さん。カヌーやSUPの魅力についてを聞いてみました。
「私はまだ湖面に立つ勇気がなく、カヌー専門です。カヌー上でも犬は動くので、バランスを保つのが難しいですが、比較的すぐにコツを掴めました。
支笏湖は透明度が高く、まるで空に浮かんでいるような体験ができます。わんこたちも陽を浴びて風を感じ、心地よさそうです。
日常でこれほどまでに『いま、この子たちと同じ景色を楽しんでいるんだなぁ』と感じられる体験はできません。犬や自然との一体感がヤミツキになります」(柴田さん)
柴田さんのパートナー・船瀬さんも「うんうん、中毒性があるよね」と続けます。
「僕は知人にカヌーを借りたのがきっけで、ハマりました。いまはSUPを中心にエンジョイしています。板一枚で湖面に立つという非日常感は、世間を忘れ、心が洗われるようです。
下世話な視点も含めると、ヴィジュアル的にもとても良い(笑)。ここでしか見られない犬たちの姿があり、シャッターを押したくなる瞬間が無限にあります。
一方で、このフィールドは〝あくまでも自然〟。一歩判断を誤れば、犬も人も命取りになる危険性を秘めています」と話します。
3密を回避できるということもあり、今年は道内でも愛好者が急増した水上アクティビティー。しかし、風や波に流され、自力で帰還困難になった例も報道されています。犬に関しては、岸辺や岩場をノーリードで走り回り、一般の人が恐怖を感じたという声もあります。
「これからデビューする人には〝犬も人も安全第一で〟と声を大にして伝えたいです」(船瀬さん)
犬も人も、安全に水遊びを楽しむために
安心・安全にカヌーやSUPを楽しむためには、具体的にどうしたら良いのでしょうか。柴田さんと船瀬さんに聞いてみました。
「最初はアウトドア専門店やガイド付きツアーなどが開催する講習会に参加し、基本的なことから学ぶのがオススメです。体験して自分や犬に合うようであれば、道具や装具を購入しましょう。犬も人も、ライフジャケットは絶対に必要です。
犬の場合は他に、身体が濡れないよう保護し、体温低下防止用のつなぎを着せます。ブランドで言うと「フルオブビガー」や「アルファアイコン」などから販売されています。あとは水に浮く長いリード。私たちは「クライミングロープ+カナビラ+ナスカン」でつくっています。
また、常に応急処置グッズを車に積み、携帯と笛を手放しません。笛はいざというとき、助けを呼ぶのに役立ちます」(柴田さん)
「いつも天気予報とはにらめっこです。天候が悪かったり波が高ければ、決して無理はしないようにしています。
そして大切なのが、信頼できる仲間と行動するということ。私たちはよく、SUP講習で技術を学んだご夫妻と合流し、バディ(ペアorチーム)を組んで、安全性を高めるようにしています。
犬が水に落ちたときのフォローや声掛け、大切な道具を忘れてきてしまった際の予備の貸し借りなど、とても心強いです。
自然の中で遊ぶ以上、予測不可能な事態は必ず起きるもの。未然に回避するためには、信頼のおける仲間が必要不可欠です」(船瀬さん)
湖面での時間に慣れてきても油断することなく、気を引き締めて行動しているみなさん。安全面はもちろん、マナーやモラルを守り、犬が好きでない人への配慮も欠かしません。
秋は犬仲間と〝紅葉SUP〟を楽しみたい
これからどんどん紅葉が深まり、絶景が望める支笏湖周辺。柴田さんと船瀬さんは愛犬家の水遊び仲間も多く、週末に繰り出せば、親しい顔に会えるのだそう。
「性別や年代を問わず、愛犬家で同じ趣味を持つ仲間とは、打ち解けやすいです。Instagramなどでも繋がり、情報交換も楽しんでいます。
これからは紅葉に染まる支笏湖で、秋を感じるのが楽しみです。北海道の春は肌寒いですが、いつかはお花見カヌーやSUPも実現できたらいいなぁ」(柴田さん)
「興味のある方は、ぜひ来シーズンからでも始めてほしいです。最初にお金がかかるのは、何でも一緒。道具や装具さえそろえてしまえば、あとはガソリンや駐車場代ぐらいしかかかずに〝命の洗濯〟ができます。
余談ですが、SUPのあとに湖面を眺めながら食べるごはんは、なんでも美味しい!売店の焼きそばやイモモチも、ご馳走に代わります。心地よい疲れと空腹が、なによりものスパイスです。ぜひお試しください!」