新年、あけましておめでとうございます!本年もよろしくお願いいたします。
「ペットと賃貸」第7回目のコラムとなります。今日は、先日も配信した〝ペットの鳴き声による騒音苦情〟対策のおさらいと〝コロナ禍における、ペットと賃貸の変化〟という観点から、お話しさせていただきます。
急に〝鳴き声をゼロにする〟のは難しい
賃貸物件の管理をしていると、ペットの鳴き声に関する騒音クレームを受けることが度々あります。
多く言われるのが、やはり「鳴き声を何とかしてほしい」というものです。日中ならまだしも、深夜に連続的に鳴かれるのは……という声は少なくありません。
鳴く(吠える)タイミングとして、飼い主の留守中に、外部の物音に反応(主人が帰宅したと勘違いなど)するわんこは多いと思います。
人間の赤ちゃんも同様ですが、反射的に鳴いてしまうものに対し、すぐに鳴かせないようにするのは、至難の業です。しつけをしてすぐに変化が見えるわんこもいますが、時間がかかる子のほうが、圧倒的に多いことでしょう。
しかし、以前も記したように、鳴き声は時間帯や状況などによって、スルーできないこともあります。愛犬家の私でも、苦痛を感じ、引っ越しをしたことがあります。
(過去記事参照「ペットとの暮らしで切り離せない〝騒音問題〟」)
騒音苦情があった際には、我々管理会社としても、対象者(入居者)にお話しをしなくてはいけません。
一方で、上記に記したように〝即座に改善させることは難しい〟と思うわけです。トレーナーなど、プロであれば話は違うかもしれませんが、そうであればそもそも、騒音には繋がっていないでしょう。
根本的な解決となると時間を要しますが、すぐに改善、もしくは緩和できる方法があります。それは〝ペットと一緒にいてあげる時間を増やすこと〟です。
一緒にいる時間は、心の安定に繋がる
わんこの本能もあるため、外部の音を拾って鳴いてしまう…というのは、なかなかゼロにはならないかと思います。しかし、飼い主がそばにいる限り、鳴き続けるというのはほぼないでしょう。
もちろん、仕事で家を空けるなど、どうしても一緒にいられない時間帯もあると思います。
そこでいま一度〝愛犬を留守番させていることによって、近所に騒音迷惑をかけているかもしれない〟、〝寂しい想いをさせ、ストレスから鳴かせているかもしれない〟と、愛犬や近隣住人に対し、ご自身がどれだけ周囲に気を配られているのかを、自問していただきたいと思います。
そこからなにか見えてくるものや、気づくことがあるかもしれません。それにより「いつもより少し早く帰ろう」だとか、ストレス軽減のため、一緒にいられる時間はよく遊ぶ、散歩を長くするなど、生活リズムやバランスが変わってくるかもしれません。
今回、なぜこのようなお話しをしたかというと、コロナ禍になってから、明らかに人が外出する頻度は落ちました。
それに伴い、わんこの鳴き声による騒音苦情も、例年に比べ、かなり減っています(当社比)。
一緒にいられる時間の長さ=わんこの心の安定に繋がっている、というのが伝わってきました。我が家も同様に、家で過ごす時間が増えていますが、鳴き声が軽減しているのを実感しています。
少し意識するだけで、愛犬も幸せに、そして賃貸でもより暮らしやすくなる……
コロナをきっかけに、ペットとの暮らしも〝新しい生活様式〟として、良い方向に変化していくといいですね!
【筆者紹介】
津田 芳典(つだ・よしのり)
1980年札幌市生まれ。大手不動産賃貸会社で7年間勤務後、不動産管理会社に転職。11年不動産管理会社を設立。24年に会社売却し、第二の人生として新たなスタートを切る。愛犬4匹(トイプードル、チワワ)と暮らす。