わんにゃんハートの前身、雑誌「わんハート」の表紙を飾ったわんこたちは、いまどんな風に過ごしているのでしょうか?
今回は2017年春夏号(Vo.11/完売)の表紙犬、ルウくん(推定5歳・♂・パピヨン×チワワ)が登場です。
保護団体「犬のM基金」出身のルウくん。三年前と比べ、ますます〝犬らしく〟なった表情や暮らしぶりをお届けします。
多頭飼育崩壊の現場から、一躍〝表紙犬〟に
表紙を飾る一年前のこと。ルウくんは、陽の当たらないアパートの一室で日々を過ごしていました。
犬たちがギュウギュウに詰め込まれた多頭飼育崩壊現場。ふん尿にまみれた痩せっぽっちなルウくんを、保護団体「犬のM基金」のボランティアスタッフがレスキューしました。
譲渡会へ足を運んだ姉歯さん一家の目に留まり、ルウくんは2016年の春、家族の一員になりました。
姉歯さん一家は、ご夫婦と三人娘の五人家族。そしてトイ・プードルのメイちゃんとニコくんがいます。
姉歯さんは当時を振り返り、こう話します。
「ルウはお迎えした当初、しばらく部屋のはしっこにいました。男の人が怖くて、主人にも懐かず、噛みついてしまったこともあります。主人は毎日散歩に連れて行き、徐々に距離を縮めていきました。いまでは主人のことが大好きです」
人の愛情に触れずに生きてきたルウくんにとって、すべてが〝おっかなびっくり〟。少しずつ気持ちが解けていったたのは、メイちゃんとニコくんの存在も大きいと言います。
「初めて食べるものは、怖がって受け付けませんでした。でも『メイやニコが食べるものなら大丈夫』と認識したようで、いまではおやつをもぎとるように食べます(笑)。カフェに行ったりお友だちに会うと、おやつをもらえるチャンスがある。そう思ってくれるようになってから、お出かけも楽しみになったようです」
カフェにラン、キャンプに撮影…そして誕生日
姉歯さん一家はとにかくアクティブ。休日には〝メイニコルウ〟も一緒に、カフェやランへと繰り出します。
昨年までは、季節を問わずにキャンプ三昧。大自然と家族に包まれた中、ルウくんものびのびと過ごします。
今年の3月で、推定5歳を迎えたルウくん。生年月日が不明なため、お迎えした日を誕生日としています。
「ルウが来てから、より一層、お誕生日を大切に過ごすようになりました。劣悪な環境を生き抜いてくれたこと、レスキューしてくださった方々がいること、いま元気でいてくれること…。お誕生日は、ルウと周りに感謝する日です。これからも毎日、大切に過ごそうと思っています」
今年もお友だちに囲まれて、美味しいケーキやおやつでお祝いしてもらいました。
保護犬は、きっと愛情に応えてくれる
最後に保護犬を迎えようと思っている人へ、姉歯さんからのメッセージです。
「保護犬はしつけしにくいだとか、病気がちだとか、ハードルの高いイメージがあるかもしれません。しかし愛情をかけると、この子たちは必ず応えてくれます。
ルウとは一緒にいろいろな場所へ出向き、たくさんの人に抱っこしてもらいました。いまでは〝人は安心できるもの〟と、すっかり身をゆだねてくれるようになりました。環境やご家族など、さまざまな理解が得られたら、ぜひ譲渡会へ足を運んでみてほしいです」
「ルウは我が家に、幸せやたくさんのお友だちとの出会いを運んでくれています。うちに来てくれて、ありがとう。これからもずっと一緒だよ」