わたしにとって、初めての大型犬。

凛は赤ちゃんのときに、勤めていたペットショップで販売されていた。

綺麗なグレーの体毛。
綺麗なグリーンの瞳。
少し控えめな性格。

まるでフランス人形のようだった。

しかし、好奇の目に晒される日々はとてつもないストレスを彼女に与え、見る見るうちに体調を崩し、痩せていった。
毎日下痢を繰り返す小さな身体を見て「うちにくるか?」と我が家の仲間入りを決める。

凛は遺伝による、極度の分離不安症。

私の姿が1秒でも見えなくなれば暴れ狂い、叫び、糞尿を垂れ流す。
大学病院の分離不安症の治験にも、参加したほどだった。

しかし、田舎に引っ越すと同時に避妊手術をし、それを境に分離不安症が良くなり、痩せていた身体もふっくら。
穏やかな子になっていき、後に増えるフレンチブルたち、保護犬たちの良いお姉さん犬になってくれた。

いつまで経ってもわたしのことが大好きで、いつも控えめに甘えてきた凛。
わたしの波乱万丈な人生を見守って、静かに励ましてくれた凛。

わたしの娘がまだ保育園のときから一緒にいてくれて、亡くなるときは、いままで食べなかったご飯も、娘がつくったリゾットを口にし、翌日、静かに息を引き取った。最期まで優しい子。

こんなにたくさんの時間をわたしと過ごしてくれて、ありがとう。
いまもあの優しい、深い眼差しで見守ってくれているのを感じているよ。

いつかまた逢えますように。

Fromまいこ

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