9月20日〜26日は「動物愛護週間」です。国民に、動物の愛護と適正な飼養についての理解と関心を深めるため、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)において設けられています。

例年、国や地方公共団体及び関係団体が協力して、全国各地で各種行事を実施してきました。コロナ禍以前は、道内でも啓発イベントが多数行われてきましたが、今年は中止しているところがほとんどです。

わんにゃんハートでは記事を通し、動物愛護についてを発信してまいります。まずは終生飼育について関連性の高い「保護犬」のお話です。

自分に合った性格の子に出会おう

以前掲載した記事「〝保護犬と幸せになる〟という選択肢」で、元保護犬の柴犬3匹、チャタローくん、ななちゃん、クロスケくんとの暮らしを語ってくれた、札幌市在住の福井真実さん。

〝保護犬と幸せになる〟という選択肢④チャタロー&なな
http://oneheart.fun/recommend/rescueddog4/

福井さんが考える「保護犬を家族に迎えるメリット」を教えていただきました。

「保護犬と暮らす最大のメリットは『性格を把握し、納得した上で飼うことができる』ことだと思います。ペットショップなどでショーケースに入って売られている仔犬や仔猫は、もちろん可愛いです。ただ、生後半年もすれば、ほとんどの子が成犬・成猫サイズになります。

お店で選ぶときには、どうしても短時間ですし、まだ性格も確立されていません。どんな子になるかは誰にもわかりませんが、保護犬は保護団体や動物管理センターなどで、きちんと性格を把握し、譲渡希望者に伝えてくれます。

また、我が家のように『犬のM基金』さんからのお迎えであれば、トライアル期間を設けてくださっています。一緒に暮らしてみて、相性が合わなかったり、自信がなくなってしまった場合には、トライアルを中断し、譲渡を見送ることもできるのです。より家庭環境に合ったわんこと出会える確率が高くなります」(福井さん)

福井さんが話す通り、某CMの謳い文句ではありませんが、残念ながらペットショップなどでは「その一目惚れ、迷惑です」といったことが起きてしまうことも。

コロナ禍で巣ごもり時間が増え、ペットの需要がグンと伸びている昨今。犬や猫の値段は高騰し続けていますが、それでも〝勢い〟で命を買ってしまう人は少なくありません。成長するに従って、ビジュアルの変化や世話の大変さから愛情が減少したり、アレルギーや引越しなどの理由から、犬や猫を簡単に手放してしまうケースが後を絶ちません。

初めての人にこそ、保護犬を勧めたい

長らく保護犬と暮らし、預かりボランティアも経験している福井さん一家。周囲にも保護犬の可愛さや尊さを呼びかけます。

「また、うちの子どもたちの友だちのご家庭から『子どもの遊び相手に、犬を迎えたい』と言われることがあるのですが、私はそんなとき『犬と暮らすのが初めての人にこそ、保護犬がオススメだよ』と熱く語っています。

仔犬は可愛いけれど、家具を壊してしまったり、トイレを覚えるのに時間を要して部屋を汚すなど、子どもに手がかかる上に、犬のお世話も……と大変です。しかし、自分の家に合った成犬に出会えれば、本当に手がかからず、子どもの良きパートナーになってくれる可能性が高いです。

『仔犬から飼うより、一緒にいられる時間が少ないじゃない』と言われることもありますが、生き物である以上、命の長さはどれぐらいあるのかわかりません。大切なのは時間の長さではなく、大好きなわんこと、いかに中身の濃い楽しい時間を過ごすかではないかと思います」(福井さん)

実際に多くの保護団体では、里親募集時に「小さなお子様にもフレンドリーです」といった案内や、逆に「お子様がいないご家庭、留守の少ないご家庭推奨」、「吠え癖あり。マンションやアパートの方はご遠慮ください」など、犬と人、双方の立場を考えた紹介をしています。一度失ってしまった家と飼い主を、二度と失わないため。最期まで幸せに暮らすための家に繋ぐため、親身になってくれるスタッフがほとんどです。

「実際、以前預かりボランティアをさせていただいたわんこは、10歳のシニア犬でしたが、預かり最中に一度もトイレの失敗をすることがなく、誰にでも穏やかで、愛されキャラでした。幼児でも安心して触れることができ、それを体験したご家庭では『保護犬を勧める意味がよくわかった』と、保護っこに目を向けてくださるようになりました。

まだまだ日本では、ショップやブリーダーから犬を買うのが主流ですが、保護団体や動物管理センターから犬を迎える良さがあることを、ぜひ知っていただきたいです。

生まれてからずっと保護犬と暮らすうちの子どもたちは、既に『大人になったら、保護団体から自分に合ったわんこを迎える』と宣言しています。もちろん、この子たちが大人になる頃には、保護犬や保護猫がゼロになっているのが一番の理想です」(福井さん)

少しでも、保護犬・猫に興味を持たれた方がおりましたら、ぜひ道内で多くの犬や猫をレスキューされている保護団体に、アクセスしてみてください。

「犬のM基金」
http://m-kikin.com

認定NPO法人「HOKKAIDO しっぽの会」
https://shippo.or.jp

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