ペットの介護は突然に……元気なうちから準備できるセミナー／執筆者 特定非営利活動法人 ホッカイドウ・アニマル・ロー(HALAW)今井 真由美

前回のコラムと重複しますが、少しHALAWの活動目的をお伝えします。HALAWは行政書士が中心となり、ペットライフに必要な法律と、ペットの飼育・看護・犬のしつけなど、各分野に精通した専門家と共に「ペットの出会いからお別れまで」をサポートするセミナー・勉強会などの開催が主な活動です。

10月～12月まで、札幌市さぽーとほっと基金助成事業として「ペットの介護生活」をテーマにしたセミナーを開催しています。今まで当法人で開催したセミナーアンケートにおいて、ご要望が多かったのが「ペットの介護生活」です。詳細は最後にお知らせいたしますので、ご興味のある方は、ご一読ください。

最初に、私自身の愛猫の介護についてをお話しさせていただきます。

前回のコラムにも記しましたが、私は5匹の愛猫の看取りを経験しています。人も動物も、命あるものには必ず終わりがやってきます。しかしながら、私は猫を家族として迎えたとき、いつか別れが来ることを頭では分かっていても、心では理解できずに過ごしていたと思っています。

初めて愛猫の介護生活と向き合ったのは、前回のコラムにも登場するティファニー(チンチラ／享年20才)。長寿でしたが、猫の病気で多い、腎臓病を患っていました。

ちょうどその時期は、母の遠距離介護中でもあり、仕事、そして行政書士資格試験の勉強と重なり、右往左往する愛猫の介護生活。かかりつけ動物病院への通院や、一日3回の投薬。次第にフードを食べない日もでてきて、チューブ式の高カロリーゼリーを与えるなど、毎日ティファニーと向き合っていました。

目の前で弱っていくティファニーを看ながら〝飼い主の都合で延命しているのではないか〟、〝ティファニーが望む介護に応えられているのか〟と、後ろ向きに考えるようになっていきました。

私自身の心が弱ってきたとき、ティファニーが一緒に暮らす将太(シンガプーラハーフ)とチャラ(アメリカン・ショートヘア)に優しく毛繕いする姿を見て、ハッとしたことを覚えています。

毛繕いすることさえ苦しかったと思いますが、一緒に暮らす猫たちを安心させるためのティファニーの優しさだと感じました。同時に〝飼い主である私が弱っていると、ティファニーに伝わり、悲しくさせてしまう〟と気づかされました。

ペットの介護生活は、飼い主が一人で抱えてしまうことが多いと感じています。飼い主の心が孤立した状態で悩みや心配事を抱えることは、大切なペットにも不安が伝わります。

ペットが穏やかに介護生活を過ごすために、飼い主自身ができることはなにか。シニア期になる前から、介護生活を迎えるための〝向き合う準備〟を始めることも、今から飼い主ができることのひとつではないかと思います。

前文でもお知らせいたしましたが、当法人では「ペットの介護生活」セミナーを定期的に開催しています。いずれも参加費は無料です。

10月は猫の介護生活をメインに「シニア猫と暮らす」(講師：動物看護師 青山ともみさん)を開催。つい先日の11月20日には、犬の介護をメインに、札幌を拠点に家庭犬のしつけを専門とするドックトレーナー・荻野隼也さんをお招きして「犬の介護に役立つしつけ」をオンライン開催しました。

そして今年ラストとなる12月のセミナーは、札幌エルプラザにて、12月9日(木)19時より「シニアペットとの暮らし～前向きになれるごはんの食べ方～」(講師：動物看護師 青山ともみさん、アシスタント：皆川良恵さん)と題して、リアル(会場)開催いたします。

講師を務めるのは、ペット栄養学に詳しい動物看護師・青山ともみさん(わんにゃん訪問介護 ぴりかのもり 代表)。大切なペットのシニア期に、フードの簡単ひと手間・ひと工夫を学んで、ごはん時間を楽しく過ごしていただけると幸いです。みなさまのご参加をお待ちしております。

お申込は「こくちーずプロ」より受付可能です。

https://www.kokuchpro.com/event/halaw1209/

※料理実習はございませんので、予めご了承ください。

私自身の愛猫の介護生活は、1回のコラムで書ききれませんが、今回のコラムはここまでとします。最後までお読みいただき、ありがとうございます。